2/14(日)にこちらのイベントを聴講しました。
※発表を聞いた上での、ぼくの感想を載せています。
※必ずしも登壇者・発表者の意見・主張ではないことご了承ください。
発表のトピックス
アジャイル開発ではなくアジャイルな開発
「アジャイル」という言葉は誤解を生みやすいそうです。
アジャイルはアンブレラワード(包括的な単語)のため、何を指して「アジャイル」と言っているのかを確認する必要があるとのことです。
あるひとは、スクラムの手法的導入を指していて、あるひとはアジャイルマニフェストの精神を指している。
アジャイルマニフェストを指している場合でも解釈違いがおきるとのこと。
「アジャイル開発」という言葉を使うと、手法導入ともマニフェスト尊重ともとれ、何を示すか微妙に違っていて後々困るそうです。
何となく伝わってしまう分だけ危ないなと思いました。
アジャイルという言葉を開発と結びつけるときは、「アジャイルな開発」としてマニフェスト尊重を指す方が適切だと思いました。
アジャイルマニフェストには手法への具体的な言及がないため、精神としてのアジャイル、手法としてのスクラムと使い分ける方がわかりやすいと思いました。
アジャイルマニフェストの精神
イベントでは、「A よりも B」という日本語訳が誤解を生むニュアンスと言われてました。
Aの価値を認めながらもBの価値を尊重するとあります。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを
認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。引用:アジャイルソフトウェア開発宣言より一部抜粋
捉え方によっては「よりも」の左側部分(プロセスやツール)は、右側(個人との対話)と比べて価値が低いように感じます。
また、末尾の「価値を認めながらも」もあまり良くないと思います。
(日本語的には「価値を認めた上で」とかの方が良いのでは)
「よりも」の左をしっかりやった上で、右もやる(重要度はもちろん右の方が上)というニュアンスがマニフェスト創立の精神に近いそうです。
- プロセスやツールを大事にしながら、個人と対話を尊重する。
- 包括的なドキュメントを大事にしながら、動くソフトウェアを尊重する。
- 契約交渉を大事にしながら、顧客との協調を尊重する。
- 計画に従うことも大事にしながら、変化への対応を尊重する。
と理解するのが良さそうです。
この精神を尊重することが(一部においては)アジャイルな開発であると言えるとのことです。
どの手法を使うかがアジャイルな開発ではないということだそうです。
ウォーターフォールかつアジャイルな開発
アジャイルな精神を尊重した上で、ウォーターフォール開発手法(のような)で開発を行う、ということも理屈では可能なようです。
ただ尊重しても、契約や計画は動かせない場合も多いようです。
また逆にスクラムを導入していても、個人との対話が軽んじられていたり、
計画の変更に大きな抵抗にあうなど、
スクラムの手法を使っているが、アジャイルな開発(精神)を持っているとは言い難い、ということもあるようです。
以上です。